ブライダルフェアへ行くと、プランナーからこんな言葉をかけられることがあります。
両家顔合わせ前に式場決定するのは、アリでしょうか?
2000組以上のカップルさんを接客した元ウェディングプランナーが、体験談をもとに回答します。
両家顔合わせ前に式場決定はダメ!
結論、両家顔合わせ前に式場決定は、よっぽどの理由がない限り、
やめたほうが良いです。
両家両親とのトラブルの元になります。
「人気日程が埋まってしまいますよ!」とプランナーに言われたとしても、
両家顔合わせ後に式場契約をしましょう。
両家顔合わせ前の一般的な流れ
そもそも、一般的な流れとして、
- プロポーズ(カップル間での結婚合意)
- 両家親へ挨拶(カップルと親との結婚合意)
- 両家顔合わせ(両家両親の間での結婚合意)
このように、結婚の合意は順を追っておこなうのです。
両家顔合わせ前というのは、
実際には両家の親同士の結婚合意が正式にとれていない状態なのです。
顔合わせ前の式場決定をすすめる式場側
ちなみに、式場側は顔合わせ前でも式場決定を勧めてきます。
私も自分が結婚する前は、ウェディングプランナーとして
「二人の結婚なんだから、顔合わせ前でも、ふたりが良ければ契約して良いんですよ!」
と新郎新婦に言っていました。
しかし、実際に自分が結婚してからは、そんな無責任なこと言ってはいけないと思うようになりました。
結婚って、もちろん二人のものです。
でも結婚すれば分かります、やはり、結婚は両家のつながり。
式場決定では、親の意見にも必ず耳を傾けるべきです。
両家顔合わせ前に式場決定するデメリット
両家顔合わせ前の式場決定をおすすめしない理由は、他にもあります。
実は、顔合わせ前に式場決定すると、こんなデメリットがあるんです。
①「順番が違う!」と親に怒られる
本来は、顔合わせで両家両親の結婚合意がとれて、「さあ、結婚式はどうする?」という話になります。
顔合わせ前に式場決定していると親が知った場合、親によっては、非常に怒る人もいますよ。
「うちの親は絶対に怒らない」と軽く考えてはいけません。
親にとって、自分の子どもの結婚は、非常に大きなイベントです。
あなたが思っている以上に、親自身の思い入れも強いのです。
「過去に一度結婚した時は、顔合わせ前に式場を決めても親は怒りませんでした。」という経験があるなら問題ないですが、そんな人はごくごく稀(まれ)だよね…
②両家の意向が合わない可能性
両家顔合わせで実際に話してみると、
新郎側・新婦側でそれぞれ結婚式の場所や形式について希望が異なる場合もあります。
例えば、お互い実家が遠方のカップル。
嫁にもらう側なんだから、お嫁さんの実家方面で式をするべきだ。伝統的なホテルが良い!
新郎の実家方面のほうが、ゲストの交通の便も良いので、新郎実家方面にするべき!式場スタイルは、新郎新婦ふたりの希望優先で良いのでは?
こんな風に、両家で意見が全く違う場合もあります。
これらの確認・話し合いを行わずに、自分たちだけで先に式場決定をしてしまうと、後でまたイチから式場の考え直しになる場合も。
キャンセル料もかかるし、時間とお金の無駄です。
③あせって契約して後悔する
「顔合わせ前に式場決定する人、多いですよ!」は、
正直、プランナーの営業文句です。
それを鵜呑みにして、あせって式場決定することで、後悔します。
プランナーにのせられて契約したけど、後でよく調べてみたら
「新郎新婦と両親の希望がちゃんとマッチする、もっと良い式場があった!」
となる場合もありますよ。
顔合わせ前に急いで式場決定することで、冷静な判断ができなくなります。
両家顔合わせ前に式場決定するメリット
両家顔合わせ前に式場決定をするメリットは、個人的にはほとんどないと思っているのですが・・・
あえて挙げるのであれば、この2つです。
①親の意見に惑わされずに式場決定できる
両家両親の意見に振り回されて、結局自分たちの式場への希望が叶えられない・・・
というリスクを避けることができます。
ただし、「両家両親の意見を聞かずに勝手に式場を決められた」という印象は、少なからず出てしまいます。
②人気の日程で確実に予約できる
両家顔合わせ前に契約することで、人気の日取りを確保することができるのはメリットです。
ただし、両家顔合わせの後で、式場に再度問い合わせたら、もっと良い日程が空いているという場合もありますよ。
しかも「今決めないと、良い日程が埋まりますよ!」とプランナーに言われても、実際にはもっと日程が空いていることもよくあります。
これについては、こちらの記事▶▶結婚式場の空き状況は嘘?この日しか空いていないと言われたら…をチェック!
両家顔合わせ前に式場見学はOK!
顔合わせ前の式場決定がNGなのは分かったけれど、せめて式場見学だけでも進めておきたいと考えている人へ。
式場見学・ブライダルフェア程度であれば、問題ないでしょう。
そもそも、ブライダルフェアは彼氏・彼女の間で結婚の意志があれば参加OKです。
デート感覚で参加するカップルさんも時々います。
式場側もデート感覚カップルの参加を断らないですし。
「両家顔合わせ後、スムーズに式場決定するために、下調べでブライダルフェアに参加しているよ」
と親に声かけだけはしておきましょう。
両家顔合わせと式場決定の平均時期比較
ちなみに、世の中のカップルさんは、平均的にどのタイミングで両家の顔合わせをしているのでしょうか?
ゼクシィ結婚トレンド調査2023調べによると、
- 式場検討開始時期:式の10.4ヶ月前
- 顔合わせ時期:式の9.8ヶ月前
- 式場決定時期:式の8.7ヶ月前
という平均値になっています。
この数字を見ても分かる通り、実際に式場決定するのは、顔合わせ後という流れが平均的であることも分かります。
下に、ゼクシィ結婚トレンド調査2023年調べのアンケート結果をのせておくね!(全国平均だよ!)
両家顔合わせ前に式場決定する人が出る原因
そもそも、なぜ両家の顔合わせ前に式場決定をしようとする人がいるのでしょうか。
その原因はいくつかあります。
①プランナーの営業トーク
ウェディングプランナーは、ブライダルフェアに来たお客様に対して即決で契約をもらうことが仕事です。
そのため、顔合わせ前のカップルにも
「顔合わせ前に式場決定する人は多いですよ~」という営業トークをします。
合わせて「急がないと日程が空いていないんです!」という営業トークもします。
そのような流れで営業されると、
「それなら今決めた方が良いかなあ」と新郎新婦も決断をしてしまうんですね。
プランナーのこういう営業トークが怖い人は、こちらの記事▶▶ブライダルフェアは怖い?しつこい営業を回避するコツをチェック!
②コロナ渦の影響
数年間のコロナ渦で、両家顔合わせを先延ばしにするカップルが増えました。
そのため、両家顔合わせのタイミングを待っていては、「さすがに遅すぎる」ということで、
顔合わせ前に式場決定する人が増えた可能性もあります。
③顔合わせしおりの存在
ここ数年、SNSでは「両家顔合わせのしおり」を作成し、投稿する人が増えました。
(※私が結婚式をした約5年前は、ほとんどなかったです。ちなみに私は今も顔合わせしおりは必要ないと思っています。)
そのしおりの中に「結婚式の会場」を記載しているカップルさんも時々いるのです。
こういう投稿が出回ると、
「式場決定は顔合わせの前にしなきゃ!」
と勘違いしてしまう人が増えてしまいます。
両家顔合わせ前に式場決定する場合の注意点
もちろん例外はあります。
カップルさんの状況によっては、どうしても両家顔合わせ前に式場決定をしないといけない人もいます。
その際に注意するべきこともまとめておきますね。
両家両親に式場決定して良いかの確認をとる
これは絶対です。
本当は、両家顔合わせ後に式場決定したいのだけれど、それができない理由をしっかり伝え、理解してもらいましょう。
両家両親に確認するべきことは最低この4つ!
最低限、これだけは、それぞれの親に意見を聞いてからブライダルフェアを予約しましょう。
両家顔合わせ前に式場決定して起きたトラブル
最後に、私が10年間ウェディングプランナーをしてきた中で、実際に起きたトラブルについて紹介します。
すべて両家顔合わせ前に式場決定をしたカップルさんのトラブルです。
新婦父からキャンセルの電話が…
あるカップルが式場契約をしました。
数日後、そのカップルの新婦父から式場へ電話が。
●●家・▲▲家の新婦父だが、契約のキャンセルをしてくれ!
詳しく聞くと・・・
両家顔合わせもまだ終わっていないし、
相手側のご両親ともまだお会いしたことがない。
そんな状態で式場契約しているなんておかしい!
というお考えを電話で永遠と話されていました。
最終的には・・・
両家の顔合わせもしていないのに、式場契約させるなんて、おかしい!私が調べたらもっと安い式場があった!このまま契約継続させるなら、もっと見積を安くしろ!
というように、ご自身で式場をたくさん調べて、他会場の見積と比較して値下げ交渉をしてきました。
新郎新婦さんも「もう、やめてよ」という感じでしたが、
親御さんはかなりヒートアップして、なかなか収まりませんでした。
親御さんとしては、勝手に式場決定されたことがよほど嫌だったようでした。
新婦から泣きながら相談された…
また別のカップルの話。
契約後に新婦から泣きながら電話がかかってきました。
私たちの決めた式場、親が反対するんです。親はもともと●●ホテルで結婚式をしてほしかったらしくて。私は、●●ホテルより今の式場が気に入ってるのに・・・●●ホテルのブライダルフェアへ親と参加しないといけなくなりました。
式場側としては、親御さんのお気持ちも分かるので
「●●ホテルのフェア参加後に、よかったら親御さんと、うちの式場へも再度見学へ来てください。親御さんがお気に召すように、精一杯ご案内します。」
とおすすめしました。
しかし、親の許可なく勝手に契約したことに対して、
親御さんは、式場にも不信感があるようで、結局、親御さんは見学に来ず・・・
最終的には新郎新婦で契約キャンセルしに来ました。
この場合は、顔合わせの順番というより、親の式場への意向が強かった例ですが、
顔合わせ後の式場見学であれば、
親御さんも娘さんのお気に入りの式場へ、見学だけでも来てくれた可能性は高いです。
そこで、気持ちよく式場見学をして、娘さんの気に入った式場でOKを出してくれる可能性もあったわけです。
まとめ
あなたたち、ふたりにとっても大切な結婚式ですが、
両家の親御さんにとっても大切な結婚式です。
そもそも結婚式では、
親はホスト側(招待する側)の立ち位置です。
一般的には、ゲストにお酌して回ったり、
披露宴の一番後ろの席に座ったりします。
資金援助をしてくれる親御さんも多いですね。
だからこそ、
式場決定は両家の親の意向をしっかり確認したうえで、
両家の顔合わせ後に最終決定をするのが良いでしょう。
結婚式準備の最初の段階で、両家両親とトラブルになると、
正直、結婚式までかなり大変です。
「うちの親は大丈夫でしょ!」と軽く考えずに、
正しい流れをしっかり把握しておきましょうね。